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天使の降りた家

天使の降りた家

治療法を探して

静岡てんかんセンターの意見を持ちかえり、主治医に相談したところ、
脳波上に問題がないという理由から頑として「驚愕反応」の考えを変えませんでした。

そして、薬の変更に変更がありました。
(フェノバール⇒テグレトール⇒エクセグラン⇒フェノバール)
新しい薬の副作用で弦ちゃんの小さな体に急激に変化が現れました。



その観察の様子と
主治医とのやり取りの日記をそのまま転記します。

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≪2012年2月15日≫

先日、弦ちゃんの薬を変更して2週間目の診察がありました。

今までフェノバール単品を飲んでいたのを

 ・フェノバール半量(減量していく)
 ・テグレトール半量(部分痙攣の薬・今後増やしていく)

に変更しました。


2週間経って気付いた変化は

 ・テグレトールの副作用と言われていた湿疹は出ていない
 ・眠気が強く出るようだが、その様子はない
 ・寝る前のビクつきが以前より動きが激しくなった

寝る前のビクつきが激しくなった事には、私達も驚きました。
と言う事は、フェノバールが少なからず効いていたことになります。
(つまり、寝る前のビクつきは脳から来ている可能性が否定出来ないのでは??)




寝る前のビクつきが酷くなり、深く寝入るまでの時間がかかるようになりました。
反対に、部分痙攣に対しては効き目がよく分かりません。

部分痙攣は、熱が出た際に一度起こったきりで、普段は出た事がありません。
また熱が出ても毎回痙攣が出る訳でもなく、前回の一度だけなのです。

何をもって効いているのか

それが分からないのに、副作用だけは目立つ。
寝る前のビクつきが酷くなり、日常生活に支障が出る。



本当に、これでいいのだろうか??
このまま、テグレトールに変えてもいいのだろうか??








診察でその疑問を先生に聞いてみました。

「薬が効いているかどうかは、発作が出ない限り分かりません。
脳波はあくまで発作の火種なので、脳波自体を良くする事は難しいです。
脳波まで抑えようとすると、大量の薬を飲まなくてはいけません。
あくまで発作が出るかどうかで、効いているかどうかを判断します。

寝る前のビクつきは、脳波では発作波が出ていないのでてんかんではなく、驚愕反応だと思います。なので、放っておいても脳に支障はないと思われます。」



先生の持論はあくまで変わりませんでした。

ビクつきは、放っておいても良い。
部分痙攣は薬で止めた方がよいが、効き目は発作が出るまで分からない。




私達は納得出来ませんでした。



ビクつきは驚愕反応だというが、毎日何にビックリしているのか?

動きが大きいので、反動で起きてしまう。
すると、日常も眠たくてぼーっとしてしまう。

部分痙攣は発作が起きなくては分からないのなら、
熱が出た時にだけ飲む痙攣止めの「ダイアップ」でも良いではないか?





先生は
「それなら、薬を変えましょう。
寝る前のビクつきが酷いのなら、生活の状態を良くするために薬を使う事も出来ます。

『フェノバール』と『テグレトール』の相性は悪いので
(相互関係で眠気が多くなり血中濃度を下げてしまう)
『テグレトール』の代わりに『エクセグラン』にしましょう。

『エクセグラン』は驚愕反応にも効きますし、部分痙攣にも効きます。
使ってみて良ければ『エクセグラン』単品にし、
まだビクつきが酷いなら二種類使ってもいいでしょう。」




『エクセグラン』の副作用として

 ・眠気が出る
 ・肝機能が悪化する
 ・尿路結石(腎臓に石がたまりやすくなる)
 ・発汗減少(汗をかきにくくなる)


などなど・・・・


これは困りました。


弦ちゃんは体温調整が未熟で、暑い時や突っ張った時は大量の汗をかきます。
汗をかかなくなると、突っ張った時などにどんどん体温が上昇してしまう事になります。



「人によって副作用が出る人と出ない人がいますので、
まずは使ってみましょう。」

と言われ、とりあえず薬の変更に同意しました。



最後に、やはり納得しきれない部分が残っていたので、先生に

「薬が落ち着いたら、府中の神経センターを受診してみたいのですが、
紹介状を書いて貰えますか?」


すると先生の手がピクリと止まり怪訝そうな顔になり

「いや・・・・書けと言われれば断れないので書きますけど・・・・
一つの病院に絞らないと混乱するだけですよ・・・
静岡のてんかんセンターでもハッキリした結果が出なかったように、
他の病院でも同じような結果になると思いますけど・・・
まぁ、一応書きますが・・・。」







その日の受診を終え、パソコンで『エクセグラン』について調べると、
驚いた事が載っていました。

意欲の減退、動作緩慢、不機嫌など厄介な副作用もある・・・・と。



これについては、一切説明はありませんでした。

弦ちゃんがその様な訴えを出来ないせいか??



弦ちゃんは確かに泣いていても

機嫌が悪いのか、どこかが痛いのか、気分が悪いのか、何が嫌なのか
判断する事は側にいる母親でも難しい。

だから尚更、そういう情報も欲しかった。





フェノバール(半量)とエクセグラン(半量)を使い始めて一週間。

まだ寝る前のビクつきが大きく、その反動で起きてしまう。
寝る時に体中に力が入ってしまい、息が苦しそう。
寝付くまで時間がかかり、お昼寝は出来なくなった。


ビクつきを放っておいて良いとは、到底思えない。






重なる薬の変更に変更。

何を治したら良いのか、
どこに向かって治療していけば良いのか



何だかよく分からなくなってしまった。


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エクセグランの副作用が大きく、
元のフェノバールに戻しました。

その時の医師との会話に、私達は転院を検討し始めました。

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≪2012年3月9日≫


てんかん薬のエクセグラン中止し、
今まで飲んでいたフェノバールを元の量に戻しました。

薬を変えて直ぐに寝れるようになり、
3日目からは、ナント!
寝る前のビクつきがピタリとなくなりました。



これには驚きました
あんなに続いていたビクつきが止まった。

何故??



先日、診察があったのでその報告をしようとしました。

エクセグランを始めたら突っ張りが強くなって昼も夜も眠れない日が続いた。
止めるとようやく寝れるようになり、日常生活の力も抜けて楽になった。

・・・と。


先生は、私の話を途中で遮り
「それはフェノバールを増やしたせいですね。
エクセグランは量も少なかったので、副作用ではありません。」

とズバリ。

つまり、
テグレトールもエクセグランも飲んだのは微量であり期間も短かったので
データーとしては残らない、という事でした。
全てはフェノバールを減らした結果であると。

私は薬を変えた事によって、弦ちゃんの体が色んな反応を示したので
その事を報告したかったのですが、先生はそんな事には興味はないようでした。

突っ張る原因は、エクセグランの副作用にもある精神障害によるものかと聞いても、

「副作用はうわごとを言ったり、多動になったりするが
こんな微量で出る訳もなく、第一そんな症状は出ないでしょう(動けないので)・・・・」と。


とにかく、副作用ではない、の一点張り。



先生は
「フェノバールは今のまま維持して、エクセグランを増やしましょう。」

あっという間に薬増量の話になりました。


「ちょ・・・ちょっと待って下さい。
もう少し、様子を見させて下さい。
今ようやく落ち着いた所ですし、4月からは動きも変わりますので
増量はもう少し待って下さい。」


先生はん~・・・と考えてから
「いいですよ。では今まで通りフェノバールで。」


フェノバールに変えて、ビクつきが止まった事に関しては
「それは体調の変化で出たり出なかったりするものでしょう。
そのうちまた、出てくると思いますよ。」

私達にとってはものすごく画期的だった事でしたが
何故今止まっているのか、科学的な根拠はよく分かりませんでした。




診察はあっという間に終わってしまいました。


前回頼んでおいた紹介状は、用意してもらえました。
テグレトール、エクセグランについては何の記述もありませんでした。

何だか話を一方的に切り上げられたような
釈然としない気持が残りました。




先生は、神経内科においては優秀な医者かもしれない。
てんかんの種類や薬の名前においては、何も見ずすらすらと出てくる。
薬を試す事に関しては、熱心にも感じる。

だが、弦ちゃんには興味がないのだ。

弦ちゃんが日頃どんな事を考えて、どんな生活を送っているのか
そんな事はどうでもいいのだ。


弦ちゃんはただの患者であり、
薬の調整がうまくいって発作さえ出なければ、それでいいのだ。



世の中には、病気を治す事が医者の務めだと思って
しゃかりきになって外科的・投薬によって治そうとしてくる医者もいる。

もちろん、それも大事な事である。


でも、患者は病気を治すために生きているのではない。

生きる事を楽しみ、生活する事に生きがいと喜びを持って生きている。
また、そうしたいと生きている。

それを奪ってはいけない。
生活が違えば、データーも副作用も違う。

小さな変化も本人にとっては大変な事であり、
それを見逃すまいと必死で側で見ている人がいる。
その事に目を向けて欲しい。

今までの知識やデーターで見るのではなく
一人一人違った症状を見て欲しい。

そして、障がいを持った子に携わる人は
一人一人違うその子に興味を持って患者に関わって欲しい。






ひとまずは、今まで通りの薬で今は落ち着いています。

これからの薬の方針を決める前に、
弦ちゃんの体を任せたいと思える医者を探す事になりそうです。

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